ナンパ鉄道999

永遠の愛を求めてぼくは旅をする。

僕の非モテキを君に捧ぐ①

 次の停車駅は「メーテル」。停車時間は、二ヶ月と数十日。

 

一度はハイスペ惑星女医で登場している彼女をメーテルと称して語りたい。

なんたって別れてからも忘れようとしても忘れられない女なんだもの。

 

ところで皆さんは銀河鉄道999という漫画をご存知だろうか。

人類が機械化を達成して永遠の命を手に入れた時代設定があり、

そこでは機械化人VS生身の人間という構図がある。

そんな中で主人公の鉄郎(これは今の僕のアイコン)と

ヒロイン?のメーテル(アイコンで鉄郎にキスしてる美人)

が旅をする話と言ってしまえば銀河鉄道999のことを少しは知っているんだなと思ってもらえる。

漫画版、アニメ版、映画版と媒体を変えて銀河鉄道999は、鉄郎はメーテルと旅をするのだが、映画版でメーテルが最後に残したセリフが印象的だった。

「私は、あなたの想い出の中にだけいる女。 

私は、あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影。」

 

なるほど、これは俺と彼女の関係と同じだ。

僕の童貞を捧げた彼女が僕から離れて行く。

彼女にとっては一人の少年に過ぎない僕は、彼女を引き止めることができなかったし、初めて抱いた女として記憶の中からは消すことができないのだと気付いた。

だからここに記録しておくことで少なくとも思い出して辛い思いをすることがなくなればいいと思った。忘れたらいけないから何度も思い出させて「二度とこんなことになるなよ」と僕の脳が言っている。

 

そんな時にあるツイートと出会った。

 

非モテキ」と題して自分のモテなかった時代を語るらしい。

そんな機会を頂けるなら是非やりたいと思った。

というか、僕の中でずっとモヤモヤしている感情があったのをどうにかしたいと思っていたのと重なったことが大きかったかもしれない。

このツイートをきっかけに自分の"かさぶた"をもう一度剥がして痛みを伴ったとしても、誰かに俺の辛さを聞いて欲しいと、誰かにこの気持ちを知ってもらいたい、そう思った。

何を書こうかと彼女との思い出を記憶の中から引き出していく。

ほとんどが後悔の気持ちでいっぱいになる。

なんで俺はこんな行動を取ってしまったのだろう。

あの時こう言っていれば今はまだ彼女と繋がっていれたのかもしれない。

創刊号として先に連載を始めたKazさんの文章にも気になった部分があった。

彼女のことは好きだったが、ホテル代もワリカン、セックスのときも「好きだよ。」の一言も言わなかった。ホントは大好きだったが、気恥ずかしくて言えなかったのだ。

彼女からぼそりと「私、風俗嬢みたいだね」と言われた。

あの時、その言葉の真意を考えればよかった。

けど、僕はその言葉を黙殺した。特に重要なことだと捉えずどういう事かを考えることすらしなかった。

彼女は僕の彼氏で、言葉なんて無くても付き合っているという事実がある以上、お互いの気持ちなんて推して知るべし、だろ(いや、違うだろ)?

 これは俺だ。

ホテル代も割り勘、セックスの時に「好きです」とも言わなくなった。

「好きはいつか訪れるお別れの時に取っておけ」

という誰かのツイートが頭の中にあった。

付き合っているという関係を免罪符にして彼女が僕と会うのは当然のことなのだと自分に自惚れていた。

それらが大きな悲劇を僕に産むことに、当時の僕は気づけていなかった。

これは最も幸福な童貞卒業を迎えた男が不幸になるまでの話だ。

聞いても不快な思いをするかもしれないし、バカだなこいつと嘲笑するだけかもしれないし、特に何かいい気持ちになってもらえないかもしれない。

ただオンリーワン中毒男が毒づいて、純粋ピュアなあなたの心を汚して、自分が綺麗になったと思いたいだけなのかもしれない。

それでも構わないと思った方だけがこれから話す僕の言葉に耳を傾けてくれたらいい。

それでは、僕の非モテキを君に捧げよう。

 

 

 

大学3年生。一浪したので21歳だ。それでも僕は童貞だった。恋愛工学に出会って女の子とアポを取ってはいたものの、どうもセクトラができない。どうやっていいのかわからない。正月の書き初めで「脱童貞」と書いたからには行動を取らなくちゃと毎月毎週末にアポを入れていた。それでも童貞のままだった。

 

毎週届く金融日記には、童貞の僕に何か役立つ情報はないかと真剣に読んだ。

「童貞、童貞、童貞」

いかにして童貞を卒業するのかが最も大きな課題だった。

ある時、電車に乗っていたらすごくタイプな女性が乗り込んでくる。

僕の目的の駅に着くまで彼女は降りなかった。

降りると普段行かない駅だったので階段の場所がわからない。

ん、あっちに地図がある。

よしよし、反対側が階段だったのか、じゃあ戻ろう。

そう思って振り向くと彼女も同じ駅で降りていたらしく、僕と同じように階段の位置を確認したみたいだった。

僕が振り向くと同時に階段の方へと向かった。

(これは話しかけるしかない)

とその時思った。

近づいて斜め後ろ横から声をかける。

「すいません」

彼女は怪訝そうな顔をする。

「超かわいいなって思って、今度お茶しませんか」

そう言った。

「いいですよ」

即答された。

(え?ナンパってこんなに簡単なことなのか)

あっさりしすぎてこんなものなのかと思った。

彼女とLINEを交換する。

エスカレーターを上りながらQRコードを読みとってもらう。

頭の中では(連絡先交換できた!やった!やった!)と既に先のことを考える余裕はない。

「今日は時間ないんですよね」

「はい、この後予定が」

「そうなんですね」

「じゃあ、僕はこっちなので」

彼女と別れた

すぐに

「さっきはいきなりすいません!

 joyです。

 今度ご飯行きましょう(顔文字)」←(お茶じゃないんかい!)

と連絡する。

その駅近くであった僕の予定も終わり、携帯を見る。

返事がこない。

ああ、これが死番ってやつか。

諦めて風呂に入ろう。

風呂に入りながら

(んーやっぱり連絡先交換した後の会話が少なかったよな)

と反省した。

風呂から上がって携帯を見る。

なんと

返事が

来ているではないか。

 

天にも昇るような気持ちで返信をどうしようか考える。

即レスはない、明日の昼まで既読無視だ。

次の日の昼に返信をする。

ポンポンと会話が進み、アポも取れた。

<続く>

どうでしたでしょうか。

全然非モテキっぽっくない感じで話が進んで行ってます。

続きが気になる方はこちらで先読みすることも可能です。

note.mu

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それでは皆様のよきモテキライフを祈ってます、joy boyでした。